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黒の中に金色を映す小皿。


ものづくりの世界では、日常の中で発見したものを再現したい欲求にかられることがよくあります。

それは大自然、天気、昆虫や植物であったり、やきものの世界では偶然性にまかせることもあるし、作為的なものもあります。

また研究を重ねることにより確実に再現して見出すことができるものもあります。

追求が実現することで、次のステップや違う方向への展開を考えることもできます。
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『黒の中に金色を浮かべる』もしくは黒に金色の表現の幅を広げてみてみました。

 


 

黒の窯変の釉薬の実験のきっかけは、下記の皿が出来て色々な手法で試したことから始まります。

 

 

 

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金色の釉薬とは

釉薬の中で金色と言うのは本物の金が存在するのでは無く、ほとんどが結晶釉で金色又は、金色に類似した色の釉薬の事です。

金属の化合物からは金色は出ますが、異なる金属や釉の組成成分との化学反応で起こります。

その中で金彩釉は焼成温度、釉薬濃度、調合比、窯に置く位置などによって大きく変化するようです。市販で金彩釉、ラスター釉は手に入ります。

 

【黒色の器に金色を映すために試してみた二つの方法】

①二酸化マンガンと少量の銅で金色を出す。

②ややマット系の黒の釉薬に酸化コバルト系の釉薬を混ぜて掛けてみる。

 

①の方法で素焼きの器にやや厚めに刷毛で塗りました。全体に艶消しのマットな仕上がりに中央と端の部分に光沢は無いが金属の発色が出ました。

 

 

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少し薄めに塗りましたが大きくは変わらず。。

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次に深さを持たせて曲面の傾斜を付けたかたちに①の方法でやや薄めに刷毛で塗りました。刷毛目が浮かび上がり、全体に艶のある金属光沢が出ました。

 

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 ①の方法で色々なもの制作してみました。
結果丸いものや曲面には薄く塗ると金属光沢が出やすいことがわかりました。

 

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②の方法で赤土を使って二つの釉薬を最初にややマット系の黒の釉薬を次に酸化コバルト系の釉薬を厚く塗ってみました。
これはややイメージとは異なる仕上がりになってしまいました。金色ではなく茶色ですね。

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イメージを膨らませるため、リキテックスの金色のアクリル絵の具を塗ってみました。

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次に特白土を使い最初にややマット系の黒の釉薬を次に酸化コバルト系の釉薬を厚く塗ってみました。

素地の白みや釉薬の縮みが発生して釉薬が乗らず、現代アートの『アクションペインティング』風になってしまった。。。

 

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この部分はイメージに近いかもしれません。

 

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ホテルの洗面ボウルの金彩釉は凄い!

昨年仕事での関係で訪問した『三井ガーデンホテル日本橋プレミア』の客室

洗面室の金彩釉の洗面ボウルは金色が美しく出ていて、鉢も大きく大迫力でした。

 

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