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現代美術って楽しい『ジュリアン・オピー』の仕事

 2年前に初めて見たイギリスの現代美術のアーティストのひとり『ジュリアン・オピー』のことを書きます。

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『ジュリアン・オピー展』2019年7月10(水)~9月23(月)リーフレットより

 **掲載した写真は撮影許可をいただいたものです。** 

ジュリアン・オピー (Julian Opie)

イギリスのオルタナティブロックバンド『ブラー(Blur)』の『The Best Of』アルバムジャケットのデザインも手掛けました。

シンプルな点と線による人物。

1958年イギリス オックスフォード生まれ。『ジュリアン・オピー』は ゴールドスミス・カレッジ入学、1983年に卒業後は早くからイギリスのギャラリーで認められて成功しました。

点と線という最小限の要素で構成された人物像や風景。誰が見てもひと目でわかる現代美術として人気が高い作家です。80年代にユーモアと社会批評性がある作品でアートシーンに彗星の如く登場し注目されます。

 

彼の作品は日本の東京国立近代美術館、イギリス ロンドンのテート・モダン、ニューヨークのMOMAなど、世界中の著名な美術館に所蔵されています。

ジュリアン・オピー|東京オペラシティアートギャラリー 

 

 牛乳パックを擬人化させたユニークな動画『The Best Of』の収録曲『Coffee And TV』PV映像:YouTubeより

 

 

イギリスの次世代の現代美術アーティスト

2008年に水戸芸術館現代美術ギャラリーで紹介され日本での人気を確立した『ジュリアン・オピー』。2019年7月に11年ぶりに東京オペラシティアートギャラリーにて開催されました。

ジュリアン・オピーの作品は黒い太い輪郭線に表情は無く目は黒丸といった人物表現で有名です。年代により新たな手法を取り入れ、ポートレート、レーシングコースのシリーズ、人物の群像のシリーズ、都市のビル群、街のカラス、抽象化された田園風景などを次々と作品発表をしていきます。

 

仕草や髪形などで人物の性格や内面までも表現しました。近年は進化して人物の表情はなし、服装や帽子、髪形を抽象的に表現してストリートや群像を反立体のイラストやLEDの演出などを行ったりしています。

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巨大な壁画の様な群衆の人物像

  

 

日常の暮らしの中のアート 

日常の生活、プライベートなファッションの世界や街並みのパブリックアートのなかに溶け込んだりするアートの世界。誰が見てもひと目でわかるアートとは素晴らしいことだと思います。

 

 

『ジュリアン・オピー』の今回の展示は絵画、彫刻、映像をはじめ初公開となる作品を公開し、展覧会公式グッズも人気を呼びました。Tシャツや作品のミニグッズはよく売れたとお聞きしました。

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作品でひとつの街が作られたような空間

 

 

現代美術の作品は難しく観念的でコンセプチュアルなものも重要ではありますが、社会性も含めてより人々の日常の中に『アートのある暮らし』を身近に感じることはとても大切なことだと思います。

また日本ではパブリックアートとして2002年に電通本社ビルのロビーにLEDの作品、2009年高松市の高松築港駅の人物のオブジェを設置して実際に目にすることができます。 


 

 

立体的な表現としてのディテール

彼の人物作品の制作工程は

①モデルとなる人物に対して数千枚程度の写真撮影。

②人物の顔や姿など特徴がよく出ている写真をコンピューターにスキャニング取込み。

③顔のパーツや姿を正確にトレース。

④各人物の個性や特徴を現す最も効果的な部分だけを残して極限まで簡略化。

 

このような手順を踏むそうです。そのディテールは2.5次元的なレリーフとして表現しています。例えば下記の写真の様に人物の黒い輪郭部分は凹で色面の部分は凸、飛ぶ鳥や丘の稜線は凸の表現になっています。

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ダイナミックな絵画のディテールは大きな段差が付いています。

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鳥や丘は立体的に表現されています。

 

現代美術は難解でどうも入り込みにくくあまり観たくない。何が言いたいのか分からなく共感できない人たちもいます。『現代美術の美しさとメッセージの本質』を多くの人に広く伝えて、共感させることができる『ジュリアン・オピー』。素晴らしい作家ですね。 

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