9月末に銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階の企画展示『ル・パルクの色 遊びと企て ジュリオ・ル・パルク展』展に出掛けました。92歳にしていまだ現役のアーティストの色彩についての大展覧会。
子どもから大人まで難しく考えず素直に楽しめる展示ですよ。
ジュリオ・パルクは1928年生まれのアルゼンチンの現代美術の作家です。
1966年のヴェネチア・ビエンナーレ絵画部門の大賞をはじめ、ライトアートや色彩表現の豊かな作品など高い評価を得ている現代美術作家です。
日本国内ではエルメス財団により初の個展となります。
展示会場には70年間の作家活動を通して取り組んでいるテーマ『色』を主題として取り上げたものが中心になっています。
黒から白のグラデーションや彩色のグラデーションを『色彩論』として解析をするのではなく『色』どのように表現としてアプローチするか様々な手法を取り入れています。
【基本情報】
会期: 2021年8月13日(金)~11月30日(火)
[ファサード展示]《ロング・ウォーク》7月29日(金)~10月14日(木)
※現在のファサードの展示替えは10月15日より。
《シリーズ14-2 分割された円 》10月30日(土)~12月末【予定】
開館時間:11:00~19:00(最終入場18:30)
不定休
■エルメス銀座店の営業時間に準じ、当面の間は開館時間を短縮されます。
■開館日時は予告なしに変更しますから事前に確認を
入場料: 無料
会場: 銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階
(中央区銀座5-4-1 TEL 03-3569-3300)
今回の展覧会の私的ポイントは おおきく4つ
・ビルの外壁ファサードを覆う屋外展示
・色を幾何学的に表現した可変性による作品
・回転・反復・分割による表現
・巨大モビールが凄い
ざっくりまとめると。
『色彩』を表現した建物外観も含めた展示空間は圧倒されます。
象徴的なファサード展示
銀座メゾン・エルメスのビルを覆う作品は色のグラデーションによる『道』を表現しています。印象的で魂を揺さぶる象徴的な表現です。
数寄屋橋に交差点近くに突如出現した異空間。
このカラフルな道の痕跡を目印に8階会場に向かう右手側の1階エレベーターの入口に向かいます。
《ロング・ウォーク》銀座メゾン・エルメスのファサード
建築家レンゾ・ピアノの設計した建物もファサードの様相が異なります。
屋内の吹き抜けの部屋
この空間のインスタレーション面白いですね。
作品は幾何学模様による色の表現が満載です。
最大限に吹き抜けの空間を生かしつつ、銀座メゾン・エルメスの外観のファサード《ロング・ウォーク》はガラスブロックを通して透けて見え、館内からもその様子が確認できます。
屋内の展示風景(的のような円形のグラデーション)
館内の展示風景(右手奥に巨大モビールが見える。)
回転・反復・分割
原色のカラフルなモビールが登場。
モビールは上部から色毎に分割がされた四角のピースを天井から吊るしてあり、内部空間の空調によりひとつひとつのピースが回転し、それが反復して動いています。
下記の写真は全体、見上げ、見下ろしにより作品の見え方は異なる。
銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階の企画展示『「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展』展に出掛けました。92歳にしていまだ現役のアーティストの色彩の大展覧会。#銀座メゾンエルメス #ジュリオ・ル・パルク pic.twitter.com/2zNVJzABm9
— ceramicsstar (@zyzy1225) 2021年10月10日
ディテール表現が素晴らしい
『鏡』の役割を示す四角いピース。3360枚のステンレススチールで作られた高さ5m以上のモビールに使用された四角いピースは鏡面になっていて全体は存在感のあるものであるが、実態が無い不思議なオブジェです。
心がざわつく巨大なモビール
モビールは外光を受けて輝き、ガラスブロックが映り込んでいます
巨大なモビールの中は複雑な映り込みが
■展示会の作家インタビュー≪YouTubeより≫
作品が製品に
《ロングウォークのバリエーション》は、フォルムの変化と入り組んだ迷路のような曲線を描いています。
ユニークピースの60枚のスカーフを、①14色の色彩プリズム、②色のない白、黒、グレーという2つのカテゴリーに分けて検証しています。
下記にさまざまな試みを行っています。
https://www.hermes.com/jp/ja/story/260491-julio-le-parc/
作品をもとに、色の順番を変えるなどしていくつかの検証を行い新たなものを製品化しています。
下記サイトでオリジナル商品を販売しています。
よろしくお願いいたします。