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奥深い金沢のまち 建物編【vol.2】

北陸加賀百万石の城下町『金沢』第二弾。

ここで色々とまちを散策してみた。

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金沢を代表する観光名所となった『ひがし茶屋街』

 

金沢の三大茶屋街

金沢には『にし茶屋街』『ひがし茶屋街』『主計町(かずえまち)茶屋街』の3つの茶屋街があります。

ひがし茶屋街が加賀藩から公許されたのは1820年(文政3年)のことで、かつては財力のある人だけが入ることの許された花街でした。

にし茶屋街は町人に愛された比較的規模の小さいひっそりとした花街です。

主計町(かずえまち)茶屋街は先の2つの茶屋街が江戸時代の花街とは異なり、明治時代になってから作られた最も規模が小さい茶屋街です。

ひがしは規模が大きくバーや飲食店、にしは甘味屋さんや和菓子の店があり、主計町はカフェや和食店と内部は改装されていたりします。

 

 

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日本の茶屋建築で重要文化財になったものは2つだけ。

この写真のひがし茶屋街『志摩』です。

施設内を見学できるのはこの『志摩』と『懐華楼』。

ともに1820年に建てられた築200年と言う歴史のある建物です。

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武家に愛された『ひがし茶屋街』に対して町人に愛された『にし茶屋街』

 

金沢の建築様式『木虫籠』の格子

『木虫籠』”きむすこ”。これは金沢の古い街並みや家屋を象徴する格子戸。

金沢の町家の特徴である格子の割付が細かい出格子のことを言います。

1.8mの一間の幅に70本以上の縦型の組子が入り、その断面は等脚台形になっています。屋外側の見付が広くなるように(つまり表側に底辺の長い面を)配置します。

これにより屋内側から外はよく見えるのに、外から部屋が見えづらくなります。

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金沢の街並み:ひがし茶屋街の『木虫籠』

インドのベンガル地方の赤色顔料を用いたことから『弁柄格子』とも言います。

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金沢の街並み:にし茶屋街

 

楽しめる 金沢二十一世紀美術館

金沢市の美術館と言えば『金沢二十一世紀美術館』『石川県立美術館』。

特に妹島和世+西沢立衛/SANAAが設計した金沢二十一世紀美術館は世界の同時代の美術表現に市民とともに立ち会う美術館です。

市民参加型のイベントや教育、コミュニケーションの場として金沢市民や他の来訪者を迎え入れています。

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天気も良く幼稚園児がたくさん集まっています。

 

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金沢二十一世紀美術館:市役所側の入口

 

金沢二十一世紀美術館を動画を見る。


www.goi.co.jp

この美術館の魅力は大きな公園の中心に円形の美術館があり、自由に出入りが可能で企画展示以外の楽しみ方ができることです。

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庭にはいくつかの現代美術の作品が設置してあり実際に触れたり、中に入ったりして楽しめます。

写真左側にあるのはオラファー・エリアソンの『カラー アクテヴィティー ハウス』

 

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兼六園側の入口

 

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中庭にあるのはオープン当時話題になったご存じ

レアンドロ・エルリッヒの『スイミング プール』



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館内通路の自然光の入り方が雰囲気を出していますね。

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見学の学生たちが集まってきた。

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夕方の風景も館内の照明を映し出し美しい。

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夜の風景

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この日は月夜でした。

金沢21世紀美術館 | 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa.


 

犀川大橋を渡って山錦楼へ

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金沢市の南北を繋ぐ『犀川大橋』。片町は繁華街の南側へ下る。

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金沢市街の西側を流れる室生犀星が愛した『犀川』。

春の季節、犀川の桜並木が満開になると華やいだ景色を見ることができるそうです。

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蛤坂に並行する川べりを歩くと右手に不思議な木造建築が見えます。

明治28年(1895)創業の老舗料亭の山錦楼(さんきんろう)です。

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時代と情緒を感じさせる古い窓にはステンドグラスが張られています。

大正11年(1922)建築物です。大正14年頃、3軒分を客座敷向きに改築。昭和11年(1936)頃に3階部分を建て増しして継いで、増築を繰り返して今の姿に。

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実際に対岸から見ると木造4階建なのがよくわかりますね。

時代を経て、やや建物全体が歪んでいる。

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指定保存建造物:山錦楼(さんきんろう)。

この建物の正面玄関の1~2階は最も古い部分を残しています。

山錦楼 Sankinro | 金澤料亭 Kanazawa Ryotei

圧巻の谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館

犀川大橋たもとから寺町へ続く蛤坂を登っていき寺町通りを左手にしばらく行くと今回楽しみにしていた目的地『谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館』があります。

建築と都市をテーマにしたこのミュージアムは金沢出身の建築家『谷口吉郎』が暮らした住まいの跡地に建てられました。

設計はニューヨークのMOMA(ニューヨーク近代美術館 新館)、東京国立博物館 法隆寺宝物館、豊田市美術館など手掛けた『谷口吉郎』の息子の建築家『谷口吉生』です。

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この建物は2019年に竣工された『谷口吉生』の新しいミュージアムです。

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水平・垂直を基調として細い柱を有する『谷口吉生』の建築物の特徴が出ています。
好きなんですよねこの建築家の建物が。

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これもお得意の自然光を十分に取り入れた吹き抜けのラウンジ。
開口部の対面の外壁は石材。

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細い階段手摺と効果的な採光。これも良いですね。

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この巧みな採光処理と壁構造が素晴らしく美しいホール。

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圧巻は2階の広縁。『谷口吉郎』が設計した『赤坂迎賓館の赤坂離宮』の和室『游心亭』の広間と茶室を再現。そして本来は日本庭園がある部分を『谷口吉生』は大開口部の外に水盤を置き全体の設計を行っています。

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水盤の映り込みが美しい。四季や天気、時間帯により毎日大きく変化するそうです。

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今の季節は紅葉が始まった頃で赤と緑の木々が水面に映り込んでいました。
春は犀川の川辺の満開の桜並木が借景になるそうですよ。

谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館

 

古き良き まちなみと新しい建築物。

金沢の文化や風土、まちなみと建物と自然が織り成す四季と風景。

金沢の人々はそれを誇りに思い大切にしている。

www4.city.kanazawa.lg.jp

www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp

下記サイトでオリジナル商品を販売しています。
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