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シリコンカーバイドを使って溶岩の質感を出す

やきもの釉薬『溶岩釉』でうつわを焼いてみました。イギリスの陶芸家ルーシー・リー**の作品に多く使われています。この釉薬は焼成の途中にガスが発生し、泡の出方で焼き上がりの器の表情が大きく異なります。

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『シリコンカーバイド』の混入

市販のシリコンカーバイドを釉薬に入れると泡が出て硬化し、溶岩の様なテクスチュアがでます。今回はタルクマットの釉薬の分量に対して約5%の量のシリコンカーバイドを混ぜてみました。

釉薬をかなり多めに重ね塗りしてみました。釉薬濃度を調整しながら刷毛で少し盛り上げて塗ります。やや塗り過ぎで失敗したものもありましたが、焼成すると膨れ上がった立体感のある溶岩のような面白い質感がでます。

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マンガン釉+αにタルクマット釉にシリコンカーバイド

今回は素焼きしたものに1層目にマンガン釉を塗り、2層目にシリコンカーバイドを混入したタルクマット釉を刷毛で塗りました。  乾燥前の生乾きの生地に釉薬を塗る場合よりも重ね塗りは難しくやっかいです。

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マンガン釉+αを最初に濃度を調整しながら筆で塗ります。乾いたらシリコンカーバイドを入れたタルクマット釉を重ねます。釉薬の濃度に注意しながら刷毛で調整して塗り重ねます。厚みも極端に変えてみました。最後に厚く重なった部分はかなり削り落とすことになります。酸化焼成すると下記の様に仕上がりました。

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全体的に溶岩釉のバラツキが味わい深い表現になりました。マンガン釉の濃淡も雰囲気があります。

 

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側面からの見え方は見る方向により大きく異なります。

 

 

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内側の見込み部分は刷毛でタルクマットのみ使いムラを付けて塗る。

 

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内側のみこみ部分のタルクマット釉の濃淡が均一でないのがよい感じとなりました。


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斜め上から見る。

 

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タルクマット釉+タルクマット釉にシリコンカーバイド

器の外側は1層目にタルクマット釉を掛け流して、乾いたら2層目にはシリコンカーバイドを混入したタルクマット釉薬を刷毛で厚く塗る技法を取りました。

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二種類の釉薬層により表面は盛り上がり独特の雰囲気に仕上がりました。

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別の位置から見てみる。形状までが大きく変化します。予め塗り過ぎには注意が必要です。これくらいがギリギリか。

 

本焼成前の高台の周辺部分は下記の様に釉薬を塗りました。

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釉薬を塗った状態のモノ。器の外側のセンターの部分に帯状に刷毛で塗ってみた。

 

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このように2層目のシリコンカーバイドを混入したタルクマット釉薬は本来の白色の釉薬が銀色に変化して溶岩が固まり盛り上がった表情が出ます。

 

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結果わかったこと

・器の外側に釉薬を2層塗るのは最終的な結果は見えずらい。

⇒かなり偶然性や窯の状況により左右される。

・釉薬の濃度や塗り重ねの厚みにより大きく変化するので注意が必要。

⇒かなり多くの作品を作る必要がある。

・シリコンカーバイドの分量は曲者

⇒0.4%から5%の混入率の差により焼成後の溶岩釉のばらつきが大きく扱いずらい。

 

 ■イギリスの陶芸家ルーシー・リー**の作品

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2010年 国立新美術館 『ルーシー・リー展』のリーフレットより

リーフレットより左側ピンク系と中央イエローグリーンの器は『溶岩釉』によるもの。

着色剤や乳白剤と反応性が高い酸化着色剤を数グラム黒土粘土に混入してからロクロで作陶したのでしょうか、それとも釉薬を刷毛で塗ったものでしょうか。

 

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