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【映画】タクシー運転手 約束は海を越えて【タクシー運転手にはドラマがある。】

 

映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』

2017年韓国で話題となり1200万人の観客を動員した大ヒット映画です。

これは実話に基づく映画で、個人的に名作映画のひとつだと思います。

ここでは映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』についてオススメのポイントなどをご紹介します。

 

  

タクシー運転手 約束は海を越えて 

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作品情報

上映年度 2017年

監督 チャン・フン

 

キャスト 

キム・マンソプ:ソン・ガンホ

ユルゲン・ヒンツペーター(ピーター):トーマス・クレッチマン

ファン・テスル:ユ・へジン

ク・ジェシク:リュ・ジュンヨル

映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』公式サイト

 


www.youtube.com

ドイツ人記者とタクシー運転手

 

5月18日~27日に起きた光州事件。戒厳令下の韓国の光州を取材し、その事実を全世界に発信した日本駐在で韓国に取材に来たドイツ人の記者、そしてソウルのタクシー運転手 このふたりを中心とした事実に基づく物語です。


1980年5月17日韓国では全斗煥らの軍のクーデターにより政府は掌握され、金大中氏が逮捕されました。そして5月18日にクーデターに抗議する民主化運動の学生デモが光州で起きました。

その取材のために韓国に訪れたドイツ人記者をソウルのタクシー運転手が光州までの案内をします。軍の通行規制も始まり光州に入るのも難しい中、なんとか切り抜けて街にはいります。

 

そこには戒厳令下の統制の中、ビラが舞い抗議のデモ活動やあらゆるところに掲げられている 抵抗・抗議の文字が書かれたたて看板が。

そこへ戒厳軍のトラックも集まりつつ各所が不穏な空気に。

 

 

韓国の普通の人々

 

光州に向かう途中で道を尋ねた農村の老人とのやりとりではマンソプは目上の人にはとても丁寧。そして光州で出会う大学歌謡祭に出るために大学に入った英語ができる大学生。タクシーの運転手からすれば”デモなんかに参加して、親から大学までいかせてもらって勉強しろよ”と言いたくなるのもわかります。

光州の同業者のタクシー運転手たちにはマンソプの故障した車の部品交換、夜、突然来てその家族のお世話になり食事をし楽しく会話する。

よそから来た人が困っていたら助ける。やさしく精一杯もてなす光州の人々の一コマを垣間見ることができます。

出会う人々との交流のひとときが平凡な人々の暮らしのなかでの暖かみを感じます。

 

名優『ソン・ガンホ』の演技

 

マンソプはいつも波乗りのような会話で軽口を叩いては煙にまく様にタクシーを流すタクシー運転手。いつもお金が大切でお金のことばかり考えているのはきっと妻を亡くして一人で育てなくてはならない11歳のひとり娘の為なのでは思います。

そんな彼は家賃を長く滞納していながらも家主に昼ご飯をご馳走になるちゃっかりものです。

 

今回のタクシー運転の仕事も同業者からかすめ取り、10万ウォンの破格の報酬に目が眩んで引き受けたもの。タクシーで外国人を送り届けて戻ってくるだけの軽い仕事のつもりでした。ところが光州に出向き現状の事態に巻き込まれて翻弄されます。

 

ここでは『ソン・ガンホ』が表面的な主人公の単純な思考や狡さとその裏にあるひとり娘を想う愛情や帰れない焦り、現実の恐怖と葛藤などを動きと表情で豊かに演じています。

 

ドキュメンタリーのようなリアルな映像

 

 韓国ではタブー化されている『光州事件』。戒厳軍が市民や学生を反政府活動の暴徒とみなし市民側に多くの死傷者が出てしまいました。タクシーの運転者たちは光州の気質なのか感情の起伏が激しく正義感があり、負傷者を病院まで運び自分たちの出来ることを行います。

 

この後半の映画の中での病院のシーンやデモ弾圧のリアルな映像はこの事実の混乱と哀しみと闇を描いています。

韓国内では実際には新聞社やテレビ局に検閲が入り事実とは異なる報道が流れていました。

その弾圧の光景をカメラに納めている途中やその後の光州からの脱出。タクシーでソウルへ戻り録画したテープを国外へ持ち出すまではドラマチックに描かれています。

 

その緊迫感も見どころのひとつです。

 

後日、ヒンツペーターもその行方を知ることのできなかったマンソプはその後どのように暮らしていたのかは想像するしかありません。

きっとあの時の光景は忘れて暮らしたかったのかもしれませんね。

 

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