ceramicsstar_project

デザイナーceramicsstarのサイトです。オリジナル作品の紹介、建築、美術、日常のことを書いています。

 本サイトはプロモーションが含まれています

地球スケールの仙巌園 建築編【vol.2】

鹿児島県の薩摩藩の別邸『仙巌園』。
是非訪れたいと思っていた場所で、鹿児島滞在の3つの目的のひとつです。

『仙巌園』

 

超特急:鹿児島市内の最短観光コース

名勝『仙巌園』への行き方で便利な方法はバス。

鹿児島中央駅、もしくはホテルが繁華街にあるならば、『天文館』からバスで行くことをおすすめします。

いちばんのおすすめは『鹿児島市交通局の観光コース』。

タクシーで移動すれば早いのですが、鹿児島市中心部の重要な観光地を回る観光バス『カゴシマシティビュー』が運行しています。

鹿児島中央駅前乗り場から出発し、数々の名所旧跡を案内してもらいながら目的地まで行けます。但し下車しない限りはその場を車窓から見ることしか出来ません。

もちろん途中下車は可能ですが。

『かつての鹿児島城の外堀と石垣』

『西郷南洲顕彰館』

西南戦争の舞台『城山展望台』やその他の『今和泉島津家本邸跡場』にバスは止まります。

ここは『西南戦争最後の舞台:城山』
観光経路は下記の通りでバスはその場に停車したり、名所に近づくとゆっくり走ったりして車内放送で解説してくれます。

■『カゴシマシティビュー』を運行経路

鹿児島中央駅(発)
・維新ふるさと館前
・天文館(仙巌園方面向け)
・西郷銅像前(中央公園側)
・薩摩義士碑前(城山向け)
・西郷洞窟前(城山向け)
・城山
・西郷洞窟前(仙巌園方面向け)
・薩摩義士碑前
・西郷南洲顕彰館前
・今和泉島津家本邸跡(篤姫誕生地)前
・仙巖園(磯庭園)

仙巌園の大スケール

鹿児島の島津家別邸 名勝『仙巌園』は、およそ350年前に建てられた日本を代表する大名庭園です。50,000平方メートルの敷地面積は背景の山や桜島を借景に歴史、自然、文化を体験できる場所です。
『仙巌園』が位置するこのエリア一帯は、平成27年(2015年)に『明治日本の産業革命遺産』として『世界文化遺産』に登録されました。

仙巌園+尚古集成館+御殿への入場料も含めて大人(高校生以上)1,500円、小中学生500円、幼稚園以下のお子様は無料となっています。庭園内には鹿児島土産、レストラン、薩摩焼や薩摩切子の販売もしています。

『仙巌園』は背景の山を借景にして造園されています。

この石垣の向こうに反射炉があります。

島津家藩主『島津斉彬』が推進した集成館事業の中の大砲鋳造技術の痕跡です。

ここは高温で鉄を溶かした炉の跡です。薩摩の地盤を形成する凝灰岩で造られた炉の底の部分や基礎の石積みが残っています。

『反射炉跡』

『旧集成館機械工場』(現尚古集成館)

幕末の薩摩藩で近代化のために推奨された産業や軍備の『集成館事業』。

短期間で製鉄、ガラス、陶器、薬品、織物などの生産をはじめ艦船・大砲の製造、蒸気機関、電信、写真の技術開発などが進められました。

明治以前の日本最初の産業革命の遺産ですね。

現在は残念ながらリニューアル工事中で2024年10月末まで休館で中に入ることが出来ません。一部別館にて小規模ながら展示をしています。 

リニューアルオープンは未だ先ですがその時が楽しみです。

尚古集成館 - 尚古集成館

広大な敷地は北側の背景の山や『桜島』を借景にした高低差のある広い庭園。

 

『瓢池』

御殿の隣にある、瓢箪型の「ひさご池」。鯉が多く泳いでいます。

『水道橋』

NHK大河ドラマ『篤姫』のロケ地としても使われたそうです。

石垣の中や下には水路があります。

この石垣の階段はNHK大河ドラマ『西郷どん』のロケ地としても使われたそうです。

明治28年(1895年)、29代当主『島津忠義』によって建てられた正門。

左手には350年前に琉球王国から伝わった東屋『望嶽楼』

当時島津斉彬と勝海舟の面会が行われたそうです。

『秀成荘奥芝生広場』(桜島展望 写真撮影ポイント)

庭園は『錦江湾』や『桜島』まで借景にしてこれはもう広大な『ランドスケープ』と言ってよいですね。ココから『桜島』が一望できますよ。

名勝『仙巌園』 SENGAN-EN
開園時間
9:00–17:00 年中無休
お問い合わせ
kagoshima@senganen.jp
所在地
〒892-0871
鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1

099-247-1551

■仙巌園の地図

https://www.senganen.jp/wp-content/uploads/2019/12/Sengan-en_Map_JP.pdf

www.senganen.jp

ゆとりの『薩摩御殿』

庭園内の『御殿』と背景の借景となる山

ここは万治元年(1658年)19代島津光久によって建てられ、数百年の歴二の中で増改築が進められました。東京に居を移した29代島津忠義が鹿児島に帰ったときに邸宅として使用していた御殿。

『御殿』の邸宅と庭

『仙巌園のふたつの八角形の池:八角凹』

『仙巌園のふたつの八角形の池:八角凸』

この二つの池を結ぶ線上に『島津忠義』は部屋を構えました。

八角形は風水最強で「八角凸と八角凹」という陽と陰の関係だそうです。

安政4年1857年『島津斉彬』は鶴灯篭を使ってガス灯の実験をした

畳八畳ほどの広さの灯篭『鶴灯篭』。

御小座『披露の間』昭和天皇と香淳皇后が行幸されたときに、
到来物のお披露目のために用いられた間にある

『白薩摩』の薩摩焼の壺。細かいレリーフが繊細で美しい。

『薩摩焼蓋付壺 1対』

これらは29代当主『島津忠義』がロシア帝国の皇帝ニコライ二世の戴冠式に贈った『薩摩焼』の複製

『薩摩焼蓋付壺』

12代『沈壽官』氏が製作した作品を曾孫の15代『沈壽官』氏が複製したもの。

贈られた壺は現在『エルミタージュ美術館』に所蔵されているそうです。

草木の文様が緻密で繊細。良質なきめ細やかな土の目で紐の部分も陶器製で作られています。

NHK大河ドラマ『西郷どん』の渡辺謙さんが着用していた『島津斉彬』の衣裳

スタンドシャツに薄禰のツイードベストに刺繍の入った和装はモダンですね。

衣裳デザイナーは黒澤和子さんです。

黒澤和子さんのお父様は世界の巨匠・映画監督『黒澤明』。

『謁見の間』

来賓客をもてなす面会の部屋。

シャンデリアを付けて明治28年(1884年)に改築した部屋。欄間の透かし彫りの美しさや各所の『釘隠し』のデザインが凝っています。

柱まわりなど木材は屋久杉がふんだんに使用されているそうです。

背の高いお殿様にため、天井が高く見える様に矢筈上に貼られている天井の板。

立体的な錯視効果があるのでジグザグな天井は奥行きがあると錯覚する。

両側の土壁の赤い弁柄壁と屋久杉の柱が豪華ですね。

厠と洗面空間。洗面用の鉢に金字の家紋

座敷から眼前に見える『桜島』を築山に『錦江湾』を池に見立てた

スケールの壮大な庭園です。

鹿児島のガラスと食

『島津薩摩切子』の製造工程を見学できる工場『薩摩切子製造工場』

幕末の名君島津斉彬によって生みだされた薩摩切子。一時は途絶えてしまいましたが、その職人の技術を復元。

宙拭きの吹きガラスの工程を最初に見学。

うつわの底の部分に吹き竿から別の竿に移動させるためガラスの小さな球を接着するポンテ作業をしています。

ポンテとはイタリア語で「橋」を意味し、吹きガラスでは吹き竿から別の竿に受け渡す作業

吹き場で徐冷して、成形が完成したうつわにグラインダーを使って模様を彫り込んでいくカットしていく。ここからは研ぎ手の職人の技術が発揮されます。

この後の作業として最終のガラスを磨く工程により最後の仕上げを行います。

薩摩切子は深い赤の色がおおきな特徴で紅色の切子は、『薩摩の紅ガラス』と呼ばれ、切子の赤のグラデーション『ボカシの技術』は心惹かれます。銅の発色:赤銅色の深く重厚な色合いは、薩摩切子を代表とする色となりました。

名勝 仙巌園 - 薩摩藩 島津家別邸 - 鹿児島 - 島津薩摩切子

 

 最後にグルメ情報を。

落ち着いて食事が出来る場所は二ヵ所。あとはお土産に隣接した甘味処など

名勝 仙巌園 - 薩摩藩 島津家別邸 - 鹿児島 - お食事とおみやげ

2F『桜華亭』の窓側のカウンターからの景色

庭園と『桜島』『錦江湾』をみることが出来るいちばんのおすすめの場所です。

昼食は『桜華亭』で奄美大島の『鶏飯』。白いご飯の上に真ん中の皿の茹でほぐした鶏肉、錦糸卵、海苔、葱を乗せてポットに入っただし汁を掛ける。

『桜華亭』営業時間:11:00~15:30

名勝 仙巌園 - 薩摩藩 島津家別邸 - 鹿児島 - 桜華亭 レストラン

 

下記サイトでオリジナル商品を販売しています。
よろしくお願いいたします。