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紅葉の季節に京都東福寺

京都『東福寺』は京都市東山区本町にある臨済宗東福寺派の総本山

広大な敷地面積には多くの塔頭、寺院を囲む建物で構成されています。

今は紅葉の季節で多くの観光客で賑わっていることと思います。
わたしがココに来たのは5月ですから随分と様相は異なります。

正面入口

 


東福寺は紅葉か新緑の季節がベスト

2023年3月7日~5月7日迄 東福寺初の大規模展覧会が東京国立博物館で開催されておりました。現在は京都で開催されています。そんな東福寺に来た目的はこれ。
2019年から長い歳月を経て修復された『大涅槃図』特別公開でした。

『吉山明兆』57歳の時の作品 縦11m横6mの大作です。

東福寺『大涅槃図』 特別公開

そしてココには昭和を代表する造園家・作庭家『重森三玲』の作庭した

『東福寺 方丈 八相の庭』があります。

そして観光の名所として紅葉と新緑の季節、橋と渓谷の美しい景観を体験できます。

JR京都駅から奈良線で1駅『東福寺』駅で下車して10分程度歩きます。

アクセス - 臨済宗大本山 東福寺

東福寺駅から歩いて10分まだ先です。

境内の長い道のりを歩く

臥雲橋に到着

東福寺の三名橋のひとつ『臥雲橋』に到着。屋根瓦の木造の橋で渓谷に架かっています。広大な境内の敷地の中は『北谷』『中谷』『南谷』の渓谷を配しています。

橋から見下ろした渓谷の様子

渓谷の前方に見える『通天橋』

最初の橋『臥雲橋』から渓谷に沿って今の季節ここは紅葉の絶景が見渡せます。
もちろん新緑の季節もこの様に木々の緑の変化や木漏れ日が美しい。

橋を渡り更に奥に進みます。

左手『日下門』から境内の中に入ります。

正面に本堂、右手に禅堂が見えます。

本堂

この本堂は昭和9年築の時代から考えると新しい建物です。重層の入母屋造の建物です。ココに『吉山明兆』作の『大涅槃図』が保存されています。

通天橋に向かう回廊

左手に庭園なぜか一部だけ紅葉していました。

『通天橋』

渓谷の上に架かっている京都を代表する紅葉の名所『通天橋』

この橋は方丈と開山堂を結んで架かっていてここから眺める渓谷・洗玉潤(せんぎょくかん)の紅葉と今の季節の新緑は絶景ですね。
次回は紅葉の季節にぜひ来たいものです。

なんでもココにある金色に輝く三つ葉楓は中国の宋から伝えた『唐楓』だそうです。

橋の中央からの新緑 向こうに見える屋根は『臥雲橋』の屋根

橋のせり出した部分

渓谷の下から通天橋を見上げてみる

渓谷の中は散策ができます。

この借景は造作とは思えないほど京都市内で自然の渓谷や緑が堪能できます。鳥のさえずりや渓谷の川のせせらぎなど境内の中とは思えないほど。

気持ちがやすらぎとても良い時間でした。

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重森三玲の世界観

続いて東福寺 方丈『八相の庭』へ。現代の作庭家『重森三玲』の四つの庭を見る。

昭和14年の作庭で近代庭園の傑作のひとつ。方丈の東西南北に庭が配置されています。

『八相成道(はっそうじょうどう)』に因んで『八相の庭』と名付けられたそうです。『方丈』とは禅宗寺院の僧侶の住居であり、応接の空間の役割が強くなったと言われています。

南庭

古来中国大陸の『蓬莱神仙思想』では東の大海の彼方に仙人が住む『蓬莱』『方丈』『瀛洲』『壺梁』と呼ばれる四仙島があり、島には仙薬財宝があると信じられていました。

この庭は広さが120坪の枯山水庭園。18尺の長石を中心に巨石を配して、砂紋で八海を表しています。

長石を倒して巨石を配置

 

左手側に石を多く配置

巧みな遠近感の表現

荒々しい岩肌と島を思わせる石

石の表情もさまざま

『五山』を表わす築山

西方には『五山』を表わす築山を配置してその苔地と砂紋を区切る斜線も効果的に表現されています。

西庭

さつきの四角い刈込と砂地を葛石で方形に区切り、大きな市松模様で構成している。

井の字に等分した中国の田制『井田(せいでん)』に因んで『井田市松』と呼ばれています。

四角にキッチリと刈り込んである

角の部分にさつきの市松を

寺院とは思えないモダンな作庭

北庭

密から疎へ変化する市松

京都の日本庭園などで、もっともよく利用される杉苔『馬杉苔』と敷石の対比が美しい。ランドスケープの教科書的な本などの日本庭園の凡例としてよく登場する庭です。

さつきの丸刈りと敷石との調和が絶妙で印象深い現代の日本庭園の代表作たる所以です。彫刻家の『イサム・ノグチ』もモンドリアンの絵画に例えて評価していたそうです。

丸刈りのさつきと敷石の市松

敷石を市松から変化させる

馬杉苔の面積が広くなり背景に変わる

すこし季節が早かったのか苔の緑にはまだ少し早かったようです。

秋は背景の紅葉との対比も艶やかでしょうね。唐楓の『通天紅葉』もさぞや映えることと思います。

遠くに向かって市松は消えていく

丸刈りになってかなり盛り上がっている『さつき

東庭

円柱の石の配置を北斗七星に見立てて『北斗の庭』と呼ばれている。

雲文様地割に円柱の石で北斗七星を構成している

この石はもと東司(重要文化財の旧便所)の柱石の余った石を利用しています。後方には天の川を模した生垣が配置されている。まるで北斗七星の浮かぶ宇宙の夜空が地面に広がっているようです。

砂紋から音が聞こえてくるようなビジュアル

独特の余韻を残す砂紋

拝観案内 - 臨済宗大本山 東福寺

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 見応え十分の東福寺。次回は東福寺『大涅槃図』吉山明兆について書きます。

本日 2023年11月24日(金)現在の紅葉は見頃ですよ。下記のサイトの写真をご覧ください。

ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

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■臨済宗大本山 東福寺
所在地:〒605-0981  京都府京都市東山区本町15丁目778
TEL:075-561-0087
営業時間:公開:4月~10月 9:00~16:00 (拝観受付終了は16:00、16:30に閉門 )
     公開:11月~12月上旬 8:30~16:00 (拝観受付終了は16:00、16:30に閉門)
     公開:12月上旬~3月 9:00~15:30 (拝観受付終了は15:30、16:00に閉門)
拝観料:その他:通天橋・開山堂:拝観料 400円(小中学生 300円)  
    その他:国指定名勝 東福寺本坊庭園:拝観料 400円(小中学生 300円)

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