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モノづくりの理想【陶芸その1】

モノづくりの作り手は自分の作った製品や作品に責任を持ち、世の中に出て行く作品についての影響力を考えることは大切です。作品自体のオリジナル性や完成度、そして自分らしさ、自分が思い描いている作品の世界のことなど書いてみました。

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最近制作した作品のディテールアップ

 

   

こんな作品を作りたい

わたしの思い描いている世界を陶器で表現したい。

やきものと言う素材は高温で焼くことによる釉薬や土の化学反応も魅力の一つ。

・仕上がりの予測をしていても偶然性により仕上がりが異なる。

・窯の条件での表情をさまざまに変える。

・素材の収縮により個体差が生じる。

 

これらの条件も想定し表現の基本としているものは

①縁に向かって薄く繊細かつ釉薬の重なり合いで表情が複雑なもの。

②釉薬層の厚みの差や凹凸でボリューム感を出す。

③ディテールの複雑なテクスチュアと素地の黒や白を透かして見せる。

実現のためにいくつかの制作方法を試みてみた。

 

シリコンカーバイドを使った深みのある小鉢

最近買ったシリコンカーバイドを混入した釉薬を作り、釉薬の混ざり具合を吟味しながら試作しています。

うつわの内側の見込みは食べ物が直接触れる側なので穴の凹凸が出てはまずいからシリコンカーバイドは使わない。

口縁部分に少しだけ変化を付けて、滑らかな肌合いのうのふ釉を全体に掛けて凹凸を無くす工夫をします。

外側はシリコンカーバイドと2色の釉薬の混ざり具合は偶然性に任せて表現する。濃度調整が難しい。

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釉薬は荒々しいがスリムな佇まいを意識する。

 

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4色の釉薬の組み合わせ。

 

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 見込み側は滑らかに仕上げて口縁部分に変化を付ける。

 

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裏側の高台は滑らかに仕上げてみた。

 

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タルクマット釉の白に桜色を散らした小鉢

別のパターンでシリコンカーバイドを混入した釉薬を作り、他の釉薬との混ざり具合の変化を表現する。

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ラフに仕上げた

 

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見込み側はタルクマット釉と桜花釉を筆で塗りました。

裏側は桜花釉にタルクマット釉にシリコンカーバイドを入れ刷毛で塗りました。

 

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桜花釉と白のタルクマット釉の刷毛で混ぜ合わせた。マーブル調の混ざり具合と釉薬の溶け具合が良かった。

 

 

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滲んだような柔らかい独特の風合いを実現できた。

 

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溶岩釉と白のタルクマット釉の味わいと深みが出せた。

 

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溶岩の質感も程よい凹凸が出て且つ口縁部分の肌触りも滑らかになった。

 

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*後日同様の方向性のものを制作予定。*

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ルーシー・リーの溶岩釉

やきものには『溶岩釉』と言う釉薬の化学反応でユニークな表情や質感を表現できるものがある。

ルーシー・リーは作品の表現に用いたりしています。この釉薬による焼き上がりのうつわの雰囲気は空気の泡の出方で全体の印象は大きく異なります。

彼女の制作するうつわの形状は薄く非常にモダン。表情の変化に富みとても魅力的です。

 

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 リーフレットより左側ピンク系と中央イエローグリーンの器は『溶岩釉』によるもの。

着色剤や乳白剤と反応性が高い酸化着色剤を数グラムを黒土粘土に混入してからロクロにかけて作陶したのでしょうか。

 

 

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よろしくお願いいたします。